ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症は精神疾患の1つに分類されています。
本障害は「持続し反復する問題賭博行動によって臨床的に意味のある機能障害や苦痛が生じている状態」また「貧困になる、家族関係が損なわれる、個人的な生活が崩壊するなどの、不利な社会的結果を招くにもかかわらず、持続的に繰り返され、しばしば増強する賭博行為」を本質的な特徴とする。
上記の説明では少し理解しにくいですが、簡潔に言うとギャンブル行為を「やめたくてもやめられない 」という心理状況に陥ってしまう事を指します。
あるデータによると、日本の成人の約4%がギャンブル依存症にかかっているとされています。
アメリカやフランスなどが1%弱だという事から、世界の中でもかなりの割合であることが分かりますよね。
パチンコや競馬はギャンブルではない?
パチンコ・パチスロ・競馬・競艇 などは遊戯の1つとされ、正式に言うとギャンブルではありません。
金銭および物品を掛けて争い、勝者が財物を得て敗者は失う
競馬や競艇はお金を掛けて財物を得る行為だからギャンブルじゃないの?という意見も多くあるでしょう。
しかし、ギャンブルの定義の中にある『争い』というのは〇か×かを選ぶような博打の事を指します。
つまり、競馬や競艇のような環境や馬の調子次第で結果が変わってくるような賭け事はギャンブルとは言わないのです。
しかし!!!
パチンコや競馬がギャンブルでは無いという記述があるわけではなく、定義上では『当てはまらない 』だけです。
一般的にこれらの行為をギャンブルであると認識している人はギャンブルではないと思っている人よりも多くいるでしょう。
ギャンブル依存症になる原因は何なのか
ギャンブルに勝つことで脳内物質の1つである『ドーパミン』が過剰に分泌されます。
ドーパミンは快感を得る事で分泌されるのですが、その快感を脳に覚えさせ、再び要求する作用があります。
特に、初めて行った賭け事で大勝するような『ビギナーズラック 』を経験した人は高確率で再度ギャンブルを行ってしまいます。
また、脳はドーパミンの刺激を何度も受けることで慣れてしまい、少しの勝利では満足できずに使用する金額もウナギ上りに増えていってしまうのです。
特に、男性よりも女性の方がかかりやすいとされており、ギャンブルを始めてから10年以内に発症するケースが多いと言います。
ギャンブル依存症を保険適用にしようとする動きが高まっている
厚生労働省は20日、ギャンブル依存症の治療に公的保険を適用可とする方向で検討に入りました。
今後IR(統合型リゾート施設)の誘致が進むと予想されるため、その対応策の一環としています。
日本では昨年の夏、参院本会議でカジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法が可決され、成立しました。
そこから、横浜や大阪の夢洲など、様々な地域で誘致の動きが活発化しています。
結果はどうなるか分かりませんが、日本にカジノが出来れば間違いなくギャンブル依存症にかかる人は増えるでしょう。
反発の意見が多数
公的保険に使われるお金は我々が納めている税金の一部から拠出されます。
そのため、『ギャンブルにハマった人に大切な税金を使うなんてもってのほかだ! 』という意見が多くありました。
また、保険適用が可能になった際、
と安直に考える人が出てくることは想像に難くないでしょう。
しかし、実際に他の「依存症」を経験した方はその辛さを身をもって知っているため、賛成の意見も少なからず見受けられました。
まとめ
著者の意見としましては、IRでギャンブル依存症の患者を増やしておいて、その対応策として保険適用を可能にするのは少し疑問に思います。
そもそも、ギャンブル依存症の数を減らしたいと考えている政府がIRを推進することも何か違和感を感じてしまいますね。