皆さんは普段の買い物で現金を使っていますか?
キャッシュレス決済の方が支払いがスムーズにいくものの、カードNGのお店も存在するため、現金は中々放せないですよね。
それもそのはず、日本はキャッシュレス決済の比率は先進国の中でもかなり低い方です。
中国や韓国、スウェーデンなどは現金を使えるお店の方が少ないと言いますからね。
今回は皆さんが良く知っているデジタル通貨と新たに導入が検討されている『法定デジタル通貨 』について説明していきます。
デジタル通貨
デジタル通貨とは、通貨をデジタル化したものを指します。
ビットコインでお馴染みの仮想通貨ですが、これもデジタル通貨の一種です。
しかし、仮想通貨は法定通貨の裏付けが無いため、需給によって価格が乱高下してしまいます。
つまり、今まで1ビットコインで〇〇を買えたのに、気付いたら5コインも必要になっていた…みたいな事が頻繁に起こりうるのです。
Facebookが導入を検討しているリブラは『ステーブルコイン 』と呼ばれ、法定通貨を裏付けることによって値動きを安定させることが出来ます。
ただし、民間企業に通貨をコントロールされるのに抵抗感のある政府や司法当局が猛反発しているのが現状です。
法定デジタル通貨
先ほど挙げたビットコインやステーブルコインは民間企業が主導となっていますので、ただのデジタル通貨です。
国が主導となって進めるデジタル通貨の事を『法定デジタル通貨』と呼び、以下の3つの条件に当てはまるものを指します。
・法定通貨との交換が可能である
・通貨がデジタル化されている
・中央銀行が発行する
他のデジタル通貨との違いは「中央銀行」が発行するという項目だけですね。
しかし、中央銀行が発行母体となると他国の法定通貨との為替レートに影響を及ぼすため、この1つの違いが結構大きいのです。
それでは、法定デジタル通貨を導入するメリットとデメリットを見てみましょう。
メリット
・決済がスムーズになる
・銀行の仲介が必要ではなくなる
・透明性が高く、脱税やマネーロンタリング対策になる
・紙幣の維持コストが下がる
決済のスムーズ化や貨幣の維持コストの低下等の恩恵は電子マネーやビットコインでも享受できます。
法定デジタル通貨を導入することの最大のメリットは民間銀行の仲介が要らなくなることでしょう。
例えば、ある会社が社員に給料を払うとします。
現行のシステムでは、銀行を介して社員の口座へとお金が振り込まれるため、一定の手数料が発生します。
しかし、法定デジタル通貨では仲介を必要とせず、会社→社員 へというお金の流れが可能になるので手数料が掛かりません。
デメリット
・通信インフラの整備が困難
・セキュリティ面の不安
・民間銀行が減少する
通信インフラの整備に関しては5Gの標準化によって大きな問題では無くなりました。
やはり、導入の最大のデメリットはセキュリティ面の問題でしょう。
迅速に送金や入金を行えるという事は、裏を返せば一瞬で人のお金を奪えるということです。
仮想通貨の『NEM』の流出問題と同様に、セキュリティが脆弱だとハッカー集団に大金をごっそり奪われる可能性が高まります。
また、既存の民間銀行で働く人によっては、法定デジタル通貨の導入は頭を抱える問題となりますね。
中国の動きに注目したい
中国の中央銀行にあたる『中国人民銀行 』は、2019年に法定デジタル通貨の研究を加速させるという発表を行いました。
また、最近ではある幹部が「いつでも実装できる段階」という発言をしたとされ、米国やEUなどは警戒を強めています。
それもそのはず、GDP2位の経済大国である中国がデジタルマネーで覇権を握ってしまうと世界の情勢が揺れ動きかねません。
他の国の動きは?
ウルグアイ=2017年に法定デジタル通貨『eペソ』を試験運用
スウェーデン=法定デジタル通貨『eクローナ』の試験運用を検討
カナダ・シンガポール・イングランド=各中央銀行が導入を検討
ウルグアイは世界で一番早く法定デジタル通貨の試験運用を開始した国となります。
他にも、BIS(国際決済銀行)によると、世界の半数近くの中央銀行が法定デジタル通貨の研究を進めていると言います。
先程は中国が先行する可能性が高いと言いましたが、もしかすると違う国が先行するかもしれませんね。
日本では導入されるのか
日本の中央銀行でも、法定デジタル通貨を導入できる技術は持ち合わせています。
しかし、現金志向が強く、キャッシュレス化が進んでいない今の現状ではまだ実行には踏み切らないでしょう。
どこかの国で法定デジタル通貨が発行されれば日本も何かしらの対応をとる可能性はもちろんあります。
実際に、日銀幹部は『調査は進めていく 』を発言したとされ、他国の動きに警戒を強めているのが伺えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
いずれにせよ、近い将来に『法定デジタル通貨』が当然のように発行されている可能性は非常に高いです。
通貨問題に関しては私たちが出る幕はありませんが、こういった動きがあるという事だけは念頭に入れておきましょう。
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